>>ところが「芸術家」というと女性の名が挙がらないのはなぜでしょうか? 実はこの質問は、アメリカの女性美術史家リンダ・ノックリンが1971年に発表した論文が元になっています。彼女は「なぜ偉大な女性アーティストはいなかったのか」と問いを立て、その答えとして「いないのではない、記録されてこなかったのだ」と結論づけました。つまり、絵を描く人も、選ぶ人も、それを記録する人も、つまり美術をとりまくすべてが男性中心だったと論じているのです。女性の芸術家が紹介される場合でも、カミーユ・クローデルはロダンの「愛人」とか、池玉瀾(いけのぎょくらん)は池大雅(いけのたいが)の「妻」とか、男性の附属品のように語られるのが定番です。このような言説が、女性の芸術家はほとんど存在しなかったかのような錯覚を、多くの人に与えてしまったのではないでしょうか。
https://www3.jwu.ac.jp/sdgs/articles/detail_11.html