論文毎日読むぞ588日目。古代の天皇の歌について。天皇の歌は一個人の作というよりも制度として存在していたのだ、という論。制度という言葉がこの要約だとわかりづらいけど、それについて話すと長くなってしまうので略。
古代の文学的営みに近代的な意味での作者という概念は当てはまらないとはさんざん言われていて、これは昔の論文なのだけど、そのようなことについて鋭く指摘した論文だと受け取った。
「けれども万葉編者は歌の作者の冷徹な探求者であった」……こういう痺れる一文があるのが昔の論文の良いところでもあり、文芸批評に傾きがちな悪いところでもあるわね。